カメラの写真

プロカメラマンがSONYのミラーレスカメラを使用する理由

はじめに

今回は一眼レフとミラーレスのカメラの違いについてです。
今更感があるテーマかもしれませんが、今だにお客様からよく聞かれる質問なので今回記事にしてみました。

私は独立してから4年半程全ての仕事の撮影をミラーレスカメラで撮影しております。
それ以前の写真館でのサラリーマン時代は一眼レフカメラを使用して仕事をしておりました。
実際仕事で両方をガンガン使用してきた私が感じている事を解説をしていきたいと思います。

まず初めに言いたいのは撮影した写真の質は両方変わりません
少なくとも私は撮影された写真を見て「このメーカーの、この機種で撮影した写真だろう」等と思うことはありません。
では現在私がなぜ仕事でミラーレスカメラを使用するかというと「圧倒的に便利だから」です。

そしてこの記事を読んでいる方はどっちを買ったら良いか悩んでいる方が多いと思いますので初めに結論から言います。

中古で良いので安く済ませ得たい・レンズの選択肢が多い方が良い・メカメカしいもので「自分が撮っている感」が欲しい方は
「一眼レフ」がおすすめです

便利な方が良い・失敗写真をなるべく撮りたくない・軽い機種が良い・最新の機種が良いという方は
「ミラーレス」がおすすめです

ここからは一眼レフとミラーレスの違いを説明します。

機構的な違い

一眼レフもミラーレスもほとんどの機種は覗き窓の様な「ファインダー」か「背面モニター」のどちらかで像を確認しながら撮影します。

一眼レフの場合

一眼レフは「レフレックスミラー」が入っていて、このミラーやプリズムによってレンズから入った像をファインダーから覗く構造になっています。

カメラの写真※レンズを外したところ。ミラーの奥にセンサーがあります。

レフ機のファインダーの構造の図

背面のモニターを使用して像を確認する時は、レフレックスミラーが跳ね上がった状態で直接センサーで像を捉えながら撮影をします。

レフ機の背面モニターの構造の図

一般的にはファインダーを使用した時はオートフォーカスが速く、背面モニターを使用した場合はオートフォーカスの効きが著しく悪くなります。
また、ファインダー使用した場合はどの様な写真になるかは撮影するまで分かりませんが、背面モニターを使用した際は明るさや色を確認しながらの撮影が可能です。
ミラーが必要なのでミラーレスと比較して構造が大きく重くなります。高級機種になればなる程、構造が頑丈になる一方、大きく重くなるなる傾向になります。

 

ミラーレスの場合

ファインダー時も背面モニター時もセンサーで捉えた像を見ながらの撮影となります。

カメラの写真※レンズを外したところ。ミラーがないのでセンサーが剥き出しになっています。

ミラーレスの構造の図
一眼レフと違って、ファインダー部には小型のモニターが映し出されるので背面モニターを使用した時も、ファインダーを使用して撮影した際も同じ動きになります。
どちらを使用しても、明るさ、色を確認しながらの撮影が可能で、オートフォーカスの精度も全く同じとなります。

一眼レフと比較してミラーがいらない分コンパクトで、軽量のものが多いです。
早い話、ミラーレスは一眼レフの背面モニターを使用する時の構造のみを残したカメラと言えると思います。

機能的な違い

ひと昔前まではミラーレスの弱点は「オートフォーカスが弱い」「バッテリーの持ちが悪い」と言われていましたが、技術の進歩により両方の問題は解決されてきている様です。
私が使用しているカメラに関してはオートフォーカスは早く、正確で、バッテリーの持ちは一眼レフとほぼ変わらないと感じています。
また、ミラーレスはファインダー部がモニタなので、撮影後の結果や、様々な設定値の確認がファインダ部で完結できます。私のカメラは撮影後自動で結果が表示できる機能があるので常にファインダから目を離さずに撮影ができる感覚です。

ミラーレスの弱点としてタイムラグの問題があります。これはモニタの画像が現実より遅れて表示されるという事です。
上記の様にセンサーで受けた光を画像処理して、モニタに映し出しています。この画像処理と映し出しの時間が表示タイムラグとなってしまいます。
これも技術の進歩で少なくなっていますが、まだ若干おきる事の様です。
私が使用しているカメラで言うとほとんど場合感じませんが、人物を撮影する際に目つぶりのタイミングがわずかにズレたり、大きな動きがある際にズレを感じる事はあります。
私はこのタイムラグを認識した上で撮影するか、ファインダーを覗いていない方の目で被写体を見ながら撮影すれば良いので特に問題は感じていません。

カメラ業界の時代の流れ

ひと昔前の一眼レフがメインの時代から、ミラーレス主体の時代へとかわりつつあります。まだ「移行しつつある」といった感じです。まだ一眼レフは完全に「過去のもの」になってしまった訳では無いと感じています。
実際に私の知り合いのカメラマンさんもまだ一眼レフをメインとしている方も大勢います。まだプロの現場でも一眼レフで十分に戦える証拠だと思います。
一眼レフ主力の時代の方が大幅に長かったので、レンズなどのバリエーションは一眼レフの方が多いのが現状です。
また、一眼レフの方が古い存在になりつつあるので中古市場では値段が落ちています。まだまだ現役で使用できるものがお得に買えるタイミングであると言えると思います。

以下からは「私がミラーレスが便利だと思うポイント」を解説していきたいと思います。上記内容と重複する内容もございますがご了承下さい。

①ファインダ使用時もリアルタイムで露出や色をモニターしながら撮影できる
②ファインダーで撮影後の画像が確認できる

特にロケ撮影の時に役にたちます。私はほとんどの場合ライティングをします。
一眼レフを使用してロケ撮影を行う場合は、まずライティングをしないで試し撮りをして背面モニターで画像を確認し背景の露出を確認。その後ライティングをして試し撮りをして、背面モニターで被写体の露出を確認した後、本番の撮影となります。

これがミラーレスの場合、シャッターボタンを押さなくてもファインダーかモニターを見れば背景の露出が分かるので、最初からライティングをした状態で試し撮りをすればファインダーから目を離さなくても撮影した画像の確認ができます。

③ボタンやダイアルに好きな機能を割り当てれるので様々な操作を自由にコントロールできる

現在のほとんどのミラーカメラでボタンやダイアルでコントロールする項目をカスタマイズできます。

私はシャッタースピード、絞り、iso感度、フォーカスモード、色温度をファインダーを覗いたままの状態で設定変更できる様にしています。

カメラの写真

カメラの写真

※私のカメラの場合、丸で囲んだボタンや、矢印のダイヤルに様々な機能を割り当てる事ができます。

また普段ピントを合わせる時は普通にオートフォーカスを使用していますが、オートフォーカスが効きづらい時には被写体を拡大表示してのオートフォーカス、それでも難しい時は被写体を拡大表示してマニュアルモードでピントを合わせる様にしています。それらの設定も全てファインダーを覗いたまま操作可能です。

以前カメラだとISO感度やシャッタースピード、絞り、色温度、フォーカスモード等の設定を変更する際に決められたボタンやダイアルで変更するのが一般的でした。設定する項目によってはファインダーから目を離さないと設定が変更できない事があったので、ミラーレスが圧倒的に便利になったと感じています。

④背面モニタ使用時も、ファインダ使用時と同じオートフォーカス精度で撮影が可能

ミラーレスなので当たり前の事ですが、これがとっても便利です。目の位置より上の高いアングルで撮影したいときや、手を伸ばした状態でしか撮影できない時、真下を向けての撮影や、地面すれすれの超低アングルで撮影する時等、多くのシチュエーションで役立ちます。

まとめ

今回の解説は以上です。
この内容をみると「ミラーレスの方が全然良いやん」と感じるかもしれませんが、全ての人がそうとは限らないと思います。
一眼レフのフィルムカメラからカメラライフをスタートした私としては、ミラーレスの方が便利な一方で、「自分で撮影している感」、充実感は一眼レフの方が圧倒的に感じます。
ミラーレスは、ファインダーの画像もモニタなので、慣れるまでは違和感がありました。まるでコンパクトな家庭用のビデオカメラの画面を覗きながら撮影して、動画の一部を切り抜いて写真にしている様な感覚でした。
そして、一眼レフは、いかつい機材を操作して撮影する時の独特のワクワク感がり、撮影した写真をモニタで確認して思い通りの写真が撮れた時の達成感があります。

 

長々と書いてきましたが、結局のところ初対面の方から「一眼レフとミラーレスどっちを買ったら良いですか?」と質問されても、その方が写真撮影に求めるもの、カメラに接してきた環境等によるので「どちらとも言えない」というのが私の意見です。

今回は以上です。
この記事が少しでもお役に立てたなら嬉しいです。
ではまた次の記事でお会いしましょう。

 

ちなみに今回の内容もyoutubeにもアップしていますので、よかったらご覧になって下さい。

 

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